高級寝具カシミヤ毛布の魅力とは?おすすめ商品や特徴について解説します

ふとん屋さんの豆知識

動物の毛を用いて作られた獣毛毛布。その中でも「繊維の宝石」と呼ばれるカシミヤ。 高級素材で有名なカシミヤですが、なぜ高級とされているかについては知らない方も多いかと思います。

そこで今回は、ほかの獣毛毛布と比較しながらカシミヤの持つ魅力について解説していきたいと思います。

カシミヤとは

カシミヤとは、中国やモンゴル、イランなどに生息するカシミヤ山羊から採取される冬の産毛のことを指します。

カシミヤ山羊が暮らす山岳地帯は、冬は零下40℃以下、夏は40℃以上と寒暖差が非常に激しいです。この環境に生き抜くために、寒気や乾燥に強い耐久力を持ち、環境に順応した毛質になっています。

その毛は全身が剛毛(刺毛)で覆われており、その下に非常に細かくて柔らかい産毛が生えています。この産毛が「カシミヤ」と呼ばれています。

繊維の宝石

限られた環境下でのみ生息するカシミヤ山羊ですが、採取できる量が少なく時期も限られていることから、大変希少価値の高い繊維とされています。

その量は一頭からわずか150~200グラムほどしか採れず、ここからさらに、長くて細い上質な繊維だけを選別すると80~120グラムほどしか残りません。一般的にメジャーな羊一頭から採取できるのが4000グラムほどなので、いかに貴重なものかがわかります。

またカシミヤには独自の油脂が含まれており、それが繊維表面を覆うことで独特の滑らかな風合いや光沢を生み出しています。

この稀少性と素材の特徴から、カシミヤは別名「繊維の宝石」とも呼ばれています。

カシミヤの特徴と他の毛布との違い

滑らかな肌触り

カシミヤ毛布の特徴といえば、そのやわらかく滑らかな肌触りです。秘密は、繊維の細さにあります。
カシミヤの繊維は、平均直径が14~16ミクロンで、比較的品質の高い羊毛(19~24ミクロン)の3分の2ほどの細さしかありません。

繊維が太いと肌に触れた時にチクチクする感じがしますが、細い場合はやわらかく、肌に優しい肌触りとなります。
さらに、繊維表面を油分が覆っているため、より滑らかな仕上がりとなります。

優れた保温性と保湿性

カシミヤの繊維はその細さに加え、クリンプと呼ばれる縮れた毛状になっています。クリンプ状で細いカシミヤ繊維は複雑によく絡まるので、熱伝導率が低い空気を多く繊維内に閉じ込めることができます。

この空気の層が体温で温められた空気を逃がさずに外気からの冷たい空気が侵入するのを防いでくれるため、軽量で高い保温力を保持します。また、繊維自体の熱伝導率が高く、吸湿性にも優れているため蒸れを防ぐ機能性の高さも兼ね備えています。

繊維の細さ(織度)

カシミヤ(約14~16ミクロン)
72% 細い
ヒツジ(約20ミクロン)
モヘア(約30~50ミクロン)

※数値はカシミヤ最小値とモヘア最大値の比率です。

ミクロンとは、繊維の太さを示し、このマイクロン数が小さいほど繊維が細く上質で、しなやかになっていきます。カシミヤの繊維の細さは約14~16ミクロンに対し、ヒツジ(ウール)が約20ミクロン、一般的なヒツジ(ウール)が約30~50ミクロンであることから、いかにカシミヤが細いかがお分かりいただけたかと思います。

繊維の熱伝導率

カシミヤ(0.9)
85% 高い
シルク(1.2)
綿(1.5)
ナイロン(6)

※数値はカシミヤとナイロンの比率です。

熱伝導率はその生地の熱の伝わりやすさを表す指標で、数値が低いほど保温性が高いことになります。カシミヤが0.9に対し、シルクは1.2、綿1.5、ナイロン6となります。ナイロンと比較した場合は85%も違いがあることが分かります。

繊維の吸湿保温性(公定水分率)

カシミヤ(15%)
70% 高い
シルク(12%)
綿(8.5%)
ナイロン(4.5%)

※数値はカシミヤとナイロン比率です。

カシミヤの繊維表面は突起の少ないスケール(キューティクル)構造になっています。このスケールは開閉することで空気中の水分を吸収・放湿し、湿度を快適に保つ機能を備えています。

JISの公定水分率では、カシミヤが15%に対し、シルクは12%、綿8.5%、ナイロンは4.5%となります。ここからもカシミヤの高い吸湿性が分かります。(数値が高いほど吸湿保温性が高い)

美しい光沢

カシミヤの繊維表面は突起の少ないスケール(キューティクル)が鱗状に覆われているため表面がフラットな状態になっています。これにより光の乱反射を防ぎ、まっすぐ綺麗に反射させることができ、それが美しい光沢感を生み出します。

このキューティクルは、人間の髪の毛に覆われているものと同じで、ダメージを受けると表面がフラットで艶がなくなり、手触りも悪くなってしまいます。

美しい光沢を維持するためにも、定期的なケアとメンテナンスを心掛けて下さい。

おすすめの使い方

羽毛布団のインナーケットとして使用する

カシミヤは、羽毛布団のインナーケットとしても最適です。
上記でも説明したように、カシミヤは吸湿性に優れているため、汗をかいてもしっかりと吸収、発散してくれます。

羽毛布団はその保温力の高さ故に寝汗をかくことが多いので、インナーケットを合わせて使用することで快適に眠ることができます。
また、肌触りがやわらかく身体にもフィットするので、掛け心地が良く、あたたかい空気を逃がさないので保温性も高まります。

羽毛布団に1枚プラスして、より温かく、より快適にお過ごしください。

他にも羽織やひざ掛け、お昼寝、夏の冷房対策など一年通して幅広く活躍してくれます。

西川のカシミヤ毛布

1566年創業の日本有数の寝具メーカー「西川株式会社」。450年以上の長い歴史がある老舗が、よりよい睡眠を追求するために、これまでに培った伝統や技術を活かし、また最新の技術を取り入れながら新しい商品を創造しています。

眠りや寝具に対するこだわりは強く、そのこだわりの強さが品質の高さに繋がっています。

https://youtu.be/uk5Xh0QAy0w

まとめ

  • カシミヤは、カシミヤ山羊から採取される冬の産毛のことを指し、その稀少性と素材の特徴から「繊維の宝石」と呼ばれています。
  • カシミヤの繊維は非常に細く軽量で、空気を多く蓄えることができるため保温性に優れています。
  • 吸湿性にも優れており、繊維自体の熱伝導率が高いため、ムレることなく快適に眠ることができます。
  • 繊維の表面に独自の油脂が含まれているため独特の滑らかな風合いと光沢を有します。
  • 羽毛布団との相性もよく、インナーケットして使用することでより快適に眠ることができます。

カシミヤといってもすべてが高価な商品ばかりではないので、まずは手ごろなものから始めてみてください。